たむたむの「カバンを開けると日本が見える!」
カバンは所詮道具入れ・・・ だからそこには、目的があり意図がある。 そして、その作り手の意図が見えたとき、 カバンは単なる道具入れではなくなるのです・・・
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12月のカバン【コンサートグッズ】
やー、みんな!
とうとう、今年も12月がやってきたね。
ホント、あっと言う間の一年だったね。


一年を振り返って、今年の最大の出来事といったら、やっぱり政権交代か・・・
あっ、それと「のりピー事件」も大変な騒動だったよね。
まぁ、もう裁判も終ったことだから蒸し返すのは止めて、そっとしといてあげるのが一番かもね。

のりピーと言えば、台湾で日本人初のコンサートをしたのが、のりピーだったんだってね。
コンサートと言えば、コンサートグッズ!
そうそう、僕も昔コンサートグッズを作るお手伝いをしていたことがあったんだよ。
のりピーの物は残念ながら作らなかったけど、大江千里さんや、財津和夫さん。
はたまた、サザンや尾崎豊さん、藤井フミヤさんなんかのトートバッグや、ポーチを作ってたんだ。

僕が、コンサートグッズを作る仕事にかかわるようになったのはある一人の人物に出会ったから。

僕が大学を卒業してすぐに起業したのは前にもお話したよね。
そうそう、今みたいに鞄を直接作る仕事じゃなくって、問屋さんみたいなことをしていたってこと。
その当時出会ったのが、ある神戸のアパレル企業を退社して、
(株)CBSソニーグループ(当時)に入社した頃の舟橋雅人さん。
今からおよそ25年ほど前の事。

よし、じゃ、今月は、ちょっと趣が違うけど、このことについて書こうか・・・
で、今月のカバンは、【コンサートグッズ】。

この舟橋雅人さん、現在のコンサートグッズの概念を作り上げた凄い人・・・

舟橋さんは、ソニーグループに入ると、
当時、数あるアーチストの中でも、
コンサートでダントツの集客数を誇ってた大江千里さんの担当マネージャーになった。

けれど、舟橋さんは、もっと他にも大江千里さんの世界観を伝える方法は無いかと考えた。
そして、その一つの手段として、コンサートグッズの販売にかかわったんだ。
だから、最初はビジネスとして考えていなかったんだって。

僕と出会ったのはその頃。
グッズの研究に熱心だった舟橋さんは、
前にも書いた神戸の人気ショップだった「Bobby's」に再三現れた。
そこで、「Bobby's」のバッグを作っていた僕に目をかけてくれたんだ。

当時、起業して間もない僕は世間の厳しさを知らずに社会に飛び出した。
その僕を徹底的にしごいてくれたのが舟橋さんなんだ。
だから、僕の恩人でもある。
ちなみに、大江千里さんは僕の大学の同級生。
きっと、縁があったんだろうね。

でね、今では、コンサートに行くと、様々なグッズが並んでいるけど、
その頃は、タレントの名前を印字しただけのようなTシャツやパンフレットぐらいしかなかったんだよ。

でも、舟橋さんはロビーもコンサートホールの一つと考え、
どれだけグッズでアーティストを表現できるか?
その結果、お客さんをどれだけ元気にしてあげれるか?
もっと言えば、家に帰ってからも"ああ良かった"と思えるか?と考えてグッズを作ったんだ。

又、当時はロビーで物を売るのにチェックが入リ、
まずは使用の交渉から入らなければいけない時代。
コンサート会場は、当日のみ使用なので、
荷物が前の日に届いてもいけないし、一日預かってもらうことも出来ない。
舟橋さんは、当日につけて当日に引き取らせる流通の仕組みも作り上げたんだ。

そして、必ずツアーの前に会場の図面をとって、
「オープン時はこの扉とこの扉を開けて、クローズ時はここを締めて、こう列を作らせて」
とかの図面を全部書いてたんだって。

つまりね、現在のアーティストグッズ、コンサートグッズの
企画、製作、流通、販売すべてのインフラを作り上げたのがこの舟橋さんなんだ。

その後、舟橋さんは(株)ソニーミュージックコミュニケーションズや
(株)アンティノスレコードの設立に参画。
(株)ソニーミュージックアーティスト舟橋製作部を最後にソニーを退社。
2001年にエンタテイメンツ全般の企画を手掛ける(株)in-hiを設立。
現在も数多くのアーティストのグッズの企画、製作、販売、流通や、
ウェブやモバイルでのコンテンツ製作のプロデュースを手掛けているんだ。

舟橋さんが、コンサートグッズを手がけ始めた頃から随分の間、
グッズ販売の地位はコンサートツアーの中でも一番低い地位にあった。

けれども、現在はコンサートグッズ販売、アーティストグッズの販売は、
マーチャンダイジングと名前を変え、
コンサートグッズの販売は、資金面でコンサートツアーを支える重要な役割を果たし、
アーティストグッズの販売は、音楽ビジネスそのものにとっての生命線になってるんだ。

そして、それゆえ簡単にグッズが作られ、
昔帰りをしたかのように、
単に名前を入れただけの物や、キャラクターがプリントされただけのものが溢れかえっている。

それに対して、舟橋さんはある雑誌のインタビューにこう答えているんだ。




記者:今は、マーチャンもマニュアル化されて、
    業者のカタログを取り寄せるだけで誰でも作れるようになった。

舟橋:「僕はそれが一番いやで。ものに関する知識が十分じゃない担当者が、
     アーティストのことをよく理解しないグッズの業者さんを呼んで、
     担当者の趣味で選んで作るというのはやっぱり違うと思うんですよね。

     例えば、このプラスティックとこれはどう素材が違って、
     それによって人はどういう印象を受けるか、
     この色を使うと人はどう感じるのかってことを全然勉強しないでものを作る。

     で、その夏リゾート地に行ったら同じカップに“清里”って入って売って・・・みたいな。
     そういう、ファンの裏切り方はしちゃいけないと思うんですよね」


     中略


記者:舟橋さんが手掛けられた中で一番のヒット商品は何ですか?

舟橋:「1個、1個、全部に思い入れがあるから・・・

     一つ上げるなら、チンパラってアカペラの子達がいたじゃないですか。
     あの子たちと話して、単音のピッチパイプを作ったんですよ。
     コンサートの最後の曲を歌うキーのピッチパイプを特注してペンダントにして。
     で、最後の曲を歌う時に“これを買った人がいたら吹いてくれ”って。

     そこから音とって最後のアンコールを歌うっていうシーンがあったんです。
     前代未聞じゃないですかね、グッズとステージがコラボしたっていうのは、
     今でいう“グッズ2.0”っすよね。」



    中略


舟橋:「グッズを作るのは、ある意味誰でもできちゃうんですよ。ロゴさえあれば。
     例えば、100人ファンがいて、ロゴが入っていればOKって人も、
 残念だけど何割かいるわけですよ。

     でも、やっぱり学校に持っていって“それ可愛い!どこで買ったの?”
     “あっ、誰々のコンサートで買ったの”って答えられるうれしさをプラスするのか。
     それとも、2回洗濯したら形がくずれちゃって“うわー買わなきゃよかった!”
     と思わせてしまうのか。

     その気持ちがアーティストへの存在意識の
     プラスとマイナスの差っていうのはすごく大きいと思うんですよね。」


    (社団法人音楽製作者連盟監 「音楽主義」より。)


ものづくりには意味があり、
ものには作り手の意思がある。
それを、相手に感じてもらえることが、ものづくりをする者にとっての最大の幸せである。

舟橋さんはそんな基本的なことを僕に教えてくれたんだ。

きっと、台湾の、のりピーのコンサートでも沢山のグッズが売られたんだろうね。
今、そのグッズを買ったのりピーのファンはそれを見て何を感じているんだろうね。

タレントとしての復帰は無理だろうけど、
少なくとも、、のりピーのステージに感動してグッズを買った人たちに、
その頃の思い出を返してあげれるような、そんな立ち直りを見せて欲しいよね。









「アンコールはその場で終ってしまうけど、
コンサートグッズはいつまでも残るアンコールだ」(舟橋雅人)






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