たむたむの「カバンを開けると日本が見える!」
カバンは所詮道具入れ・・・ だからそこには、目的があり意図がある。 そして、その作り手の意図が見えたとき、 カバンは単なる道具入れではなくなるのです・・・
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8月のカバン【ビル・アンバーグのロケットバッグ】


いやー、ようやく衆議院が解散したね!
みんなはもう、どの党に入れるか決めてる?
そう。りっぱ、りっぱ!

でも、せっかく投票日まで40日間もあるんだから、
一度じっくりと腰を落ちつけて、この国の未来を考えて見るのもいいかもね。

その手段として、各党のマニフェストを照らし合わせてみるのもいいけれど、
もっと、大きな視野でこの国の形を考えて見るのもいいかもよ。

そう、日本という国を日本人ひとりひとりがデザインしてみるんだ。

えっ、デザイナーじゃないんだからデザインなんか出来ないって?
ひょっとして、デザインって図面が画けないと出来ないと思っていない?
違うよ!

このコラムでも何度も話したけど、
鞄のデザインでも、その必要性によって決まったり、
時代の流れによって決まったり、
只、自分が持ちたいから・・・という理由で決まったりしてたでしょ。

そう、そもそもデザインとは、
構想、計画、設計、意匠などのさまざまな意味を含んでいて、
これらの総合として用いられる言葉なんだ。

日本ではデザインという概念の歴史が浅いのと、
その概念が生まれたのが戦後の経済成長期だったということもあって、
どうしても、デザインというと一作品の設計という意味にとらわれがちだけどね。

でもデザインの歴史があるヨーロッパでは、ただ単に物が作りだされるということ以上に、
生産のシステムを整え、
あるいは生産物が社会のなかにどのように位置づけられるのかをまえもって考慮するなど、
方向づけの段階が重要だとされているんだよ。


で、今月のカバン【ビル・アンバーグのロケットバッグ】なんだけど、
写真でもわかるように、かなり斬新なデザインだよね。

実はこのカバンも図面からではなく、
デザイナーのビル・アンバーグの人との出会いや経験の積み重ねから生まれたバッグなんだ。

ビル・アンバーグは、イギリス、ロンドンを拠点に、
1984年から活動を続けるヨーロッパを代表するバッグデザイナー。
彼は鞄だけではなく、様々な物をレザーで作り上げ、
そのクオリティーの高さから一躍人気デザイナーになった人物。
で、付いたあだ名が、「Mr,レザー」。

出身はロンドンから北へ100キロ程のぼった、ノーザンプトンシャーという街。
ノーザンプトンシャーは昔から「革靴づくりの聖地」として知られる革の街。
その街で彼は、幼い頃から自然に革に触れて育ってきた。
そしたら、いつしか自分も靴作りを勉強するようになっていったんだ。

そんな彼に、「大学に行かない代わりに旅行に行け」というアドバイスを贈ったのが彼の両親。

そのアドバイスを受け、ビル・アンバーグはニュージーランドやオーストラリアを旅行し、
乗馬用の鞍をつくる職人、革のスーツケースを作る職人、ブーツを作る職人等、
いろんな革職人と出会ったんだ。
こうした出会いから、彼は自然に革の知識を深め又人脈も築いていった。

そして、ロンドンに戻った彼は、1984年に自身のコレクションを発表したんだ。
今月のカバンの【ロケットバッグ】もその頃の作品。
【ロケットバッグ】は、その素材の革質の良さと、本体のシンプルな形状、
そしてアルミを削りだした独特の持ち手の面白さで一躍注目を集め、世界中で大ヒットしたんだ。

ビルは、鞄のデザインだけでなく、プロダクトやインテリアのデザインも手掛けていた。
だから、既成の固定概念に囚われることなく、鞄作りが出来たんだろうね。

彼は図面から書き出したものからは決して生まれない、
鞄の概念を超える新しい鞄の形を提案したっていうわけなんだ。

でね、

このビル・アンバーグがデザイナーの心構えとして尊敬しているというのが、
日本の柳宗理(やなぎそうり)なんだ。


柳宗理。

詳しくはとてもここでは述べきれないけど、
1915年に誕生し、現在もなお活躍する、
戦後日本のインダストリアル・デザイン(工業デザイン)の確立と発展に、
もっとも重要な足跡を記した人物。

その活躍の場は幅広く、
彼のデザインは代表作の「バタフライ・スツール」を含むインテリアから、照明、オート三輪、陸橋、
はてにはオリンビックの聖火台にまでに到っている。

そして、彼が生み出したそれらは全て、
機能に応じ無駄な装飾を排するモダン・デザインの合理性を示しながら、
使いやすくて美しい、いわゆる“用の美”を表現したものなんだ。

何故、彼がそのような物作りが出来るのか?

それはね、彼の「アノニマスデザインこそがプロダクトデザインの理想形」だと言う考えによるんだ。
‘アニノマス’とは‘匿名‘の意味。
有名デザイナーの名前を冠したものではなく、
必要に応じて産まれ出て、長く使われ続けたものの中にこそ、
真の美しさがあるという考え。

更に、そんな彼の物作りの仕方が、
デザイン画から、すぐに試作品を作り確かめる方法。

「紙の上ではよく見えるデザインも、立体にした時にうまくいかないと意味はない。」
この考えはそのままビル・アンバーグにも受け継がれた。

だから、四谷にある柳デザイン研究所は、
いわゆる「工業デザイナーのオフィス」とは大分様子が違うんだ。
たくさんの模型や轆轤台、石膏型などが、所狭しと陣取ってるんだって。



どう?デザインするってどういう事か少しは解った?

つまりね、もしあなたが日本という国を美しくしたければ、
机上の空論に惑わされることなく、
美しい日本という国を想像し、その為に社会には何が必要かを考え、
その正しい方向性を見つけることなんだ。

戦後、経済成長した日本はその代償として、
たくさんのものを失った。
今、本当に僕たちが必要としているものはなんだろう?
今度の総選挙はそうしたことも考えるいい機会かもね。

じゃ、最後に、柳宗理の有名な言葉を、みんなに送るね。








True beauty is not made,it is born natyrally

「本当の美は、生まれるもので、つくり出すものではない。」(柳宗理)













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