たむたむの「カバンを開けると日本が見える!」
カバンは所詮道具入れ・・・ だからそこには、目的があり意図がある。 そして、その作り手の意図が見えたとき、 カバンは単なる道具入れではなくなるのです・・・
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5月のカバン【フェリージ】
みんな!知ってる?
少し前から、若い女性の間で空前の戦国武将ブームが巻き起こっているんだそうだよ。
そう、‘暦女ブーム’っていうやつ。

それは、戦国時代を扱ったゲームソフトやNHKの大河ドラマの影響だそうで、
実際、人気武将ゆかりの地のイベントや博物館なんかに女性の姿が増えてるんだって。
伊達政宗や真田幸村、長宗我部元親といったところが人気なんだそうだよ。

で、最近ではもっと進化して、
その戦国武将達が身につけていた家紋がブームになってるんだって。

真田家の家紋である「六文銭」なんか凄い人気があるんだってよ。
僕らの世代では、「六文銭」と言えば、小室等を思い浮かべるんだけどね。
あっ、小室哲哉じゃなくて等だからね。

いかん!話が進まん!

とにかく、家紋がブームで、家紋の入ったグッズが飛ぶように売れたり、
自分で家紋を作ったり(個紋とか言うらしい)するのがはやってるんだって。

まぁ、これはブームだからいずれ去っていく事だろうけど、
カバンの世界でも、バッグに家紋を刻印して大成功したブランドがあるんだ。
そう、皆も知ってる【フェリージ】
そのカバンには全て、フェリージ家の印である、‘戴冠された貴族の兜と楯’
そして、‘黄金の実がなる、林檎の木’の絵柄が刻まれたいるんだ。

で、今月のカバンは【フェリージ】!

僕が始めてフェリージのバッグを見たのは、1980年代前半。
取引先のあるアパレル会社の社長が、それを持っていたのを見たのが最初。
それはナイロンとヌメ革のブリーフケースだったけど、
当時、鞄の素人だった僕が見ても、重厚で気品があり、立派なものだった。
そして、どこか懐かしい暖かさを併せ持っていた。

日本で、フェリージが大々的に売り出されるようになったのは、
1987年にフィーゴ社がフェリージと独占輸入契約を結んでから。
その後、1996年に日本初のフェリージ専門店が京都の北山にオープンし、
フェリージの日本での知名度は一気に高まったんだ。

家紋をバッグに刻印したフェリージ。
でもね、その歴史は意外にも、とっても新しいんだよ。

15世紀からの古い歴史を持つイタリアの小都市、フェラーラ地方の領主、
"フェリージ家"の娘、アンナ・リザ・フェッローニが、学校を卒業したのが、1960年代後半。

きっと、経済的にも、精神的にも余裕があったんだろうね。
学校を卒業した彼女は、イタリアの伝統工芸の馬具製作に魅了され、
そこから、革製品の加工に没頭していくんだ。
でも、この趣味のようなもの作りが、友人や家族の間で評判になった。

そして、そんな姉の趣味に影響され、その可能性に気付いたのが、
弟で初代社長のアレッサンドロ・フェリージ。

1973年、アンナ・リザ・フェッローニとアレッサンドロ・フェリージは。
フェラーラの歴史ある一画に最初の工房をオープンした。
そして、そこで革製品に、フェリージという名前を付けて売り出したんだ。
これが、フェリージブランドのスタート。

デザインと質の良さを追求し、生産性を無視したそのもの作りは、
あくまで趣味の領域を出なかった。
けれども、それは、偶然にも‘個人で考えてクオリティーを高めて作っていく’、
イタリアの伝統的なもの作りの考えとぴたりと重なり合ったんだ。

そして、彼らが独自で作り出す製品は次第に注目を集め、
ある日、商品として思わぬ成功を収める。

小さな街の若者達の‘趣味の物作り’が商品として成功し、多くの人に愛され、
一つのブランドを確立させた。
それが、【フェリージ】

フェリージのカタログを開くとすぐにそのブランドコンセプトが目に飛び込んでくる。
そこにはこう書かれてあるんだ。

・・・‘古きものは美しきかな’
   この精神をもとに、遊びなれたオトナだけが享受できる
   デザイン、クオリティーのプロダクト・ラインを創りつづける。
   それが、フェリージであることです・・・


古いものが何故美しいのか?

それは、’大量生産’と言う、悪しき資本主義の精神に汚されることなく、
デザインならデザイン。質なら質と、徹底的にこだわり、
‘個人で考えてクオリティーを高めて作っていく’というもの作りの心が、
そこに残っているからなんだ。

フェリージの商品は全世界の有名ショップに並ぶことになった今でも、
約50人の熟練した職人がいるフェラーラの工房、只一箇所で作られているんだよ。

歴史が浅くてもその伝統的なもの作りの心が失われていない・・・
その象徴が、バッグ一つづつに、しっかりと刻まれている、家紋の刻印なんだ。



個人の家紋を作るバカバカしさが、よくわかるよね。






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