たむたむの「カバンを開けると日本が見える!」
カバンは所詮道具入れ・・・ だからそこには、目的があり意図がある。 そして、その作り手の意図が見えたとき、 カバンは単なる道具入れではなくなるのです・・・
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

3月のカバン【TIPZONEのセカンドバッグ】
  


今月も、もう少し革の話をしようか。

皆は、革と皮の違いはわかる?
簡単に言うと、動物の皮を剥いだのが皮。
それを、腐ったり硬くなったりしないように加工したのが革なんだ。

で、この皮から革への加工を業界用語で「鞣す(なめす)」と言うんだけど、
「鞣す」には大きく分けて三つの方法があるんだ。

一つは、古来より行なわれてきた、植物の渋成分で鞣す「タンニン鞣し」。
もう一つは、1880年代にアメリカで開発された、
鉱物からとったクロームの化合物を使用する「クロムなめし」。
最後の一つが、「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」の両者を併用する「混合鞣し」というわけ。

「タンニン鞣し」は、自然の風合いを味わえるという長所がある代わりに、
革の出来上がりまでに、1~3ヶ月かかるというその生産性の低さに問題があったんだ。

近年になって、革の需要が著しく増えた時、
「タンニン鞣し」では対応しきれなくなり、
鞣し期間も短く、コストも安い「クロム鞣し」が開発されたと言うわけ。

そして、1960年代には、塩基性クロム塩を粉末として鞣し剤メーカーが供給するようになり、
今日の「クロム鞣し」技術が確立されたんだ。
で、今では世界中の革の9割を「クロム鞣し」がしめるようになったんだ。

ところが、1990年代に入って世界中が環境問題に取り組むようになった時、
この、塩基性クロム塩の廃液が地球環境にどのような影響を与えるかが問題となった。
一時は「クロム鞣し」がヨーロッパで禁止されるのでは・・・と言う噂さえ飛び交ったんだよ。

そんな時、使えば使うほど革の味わいが増す、「タンニン鞣し」が見直されるようになり、
十年ほど前から、日本でも空前の革ブームが巻き起こったんだ。

で、それから最もポピュラーになったのが、
先月紹介した、ホワイトハウスコックスのブライドルレザーや、
今月の鞄、【TIPZONEのセカンドバッグ】に使われている、ミネルバ・ボックスレザーなんだ。


【TIPZONE】は、神戸で大人気のSHOPブランド。
ここには、私も関わってるんで又いずれ詳しく紹介するね。
だから、今日はミネルバ・ボックスの話・・・

ミネルバ・ボックス。
正確には「Italian Vegetable Tanned Leather Minerva Box」
と呼ばれるその革は、
フィレンツェ市サン・ミニアト地区にあるタンナー(革鞣し工場)
「バダラッシィ・カルロ社」 が
イタリア北部からスイス・フランスに渡るアルプス地方で育ったステア牛を原皮に、
イタリア・フェレンツェの伝統的なバケッタ製法で仕上げた高級牛革。

表面は、革を薬剤で縮めるシュリンクと言う加工がされているの。
それは、繊維密度の高低差により皺を出す加工法で、
その、密度は革一枚一枚によって違うから、
製品になった時、世界に一つだけの表情を楽しむ事が出来るんだ。

ルネッサンス発祥の地フェレンツェは、千年以上もの歴史を持つ革職人の街。
「バダラッシィ・カルロ社」は、
そんな街で革作りの学校で教授を務めていたカルロ・バダラッシィ氏が、
廃れていく、フェレンツェの革加工技術を憂い、
その理論と技術を実行する為に約30年前に作った会社。

カルロ・バダラッシィは、
フェレンツェ伝統の時間と手間をかけたバケッタ製法を蘇らせ、
このミネルバ・ボックスに限らず、次々と想像力に富んだ新しい商品を開発していったんだ。

そして、それが先月述べた、エイジングを楽しむ人々に喝采で迎えられた・・・と言う訳。


でね・・・

実は、日本にも千年以上の歴史を持つ、革加工技術が存在するんだよ。
それは、兵庫県姫路市の「姫路白鞣し」がそれ。

「姫路白鞣し革」は、化学薬品を使わず、塩と菜種油でなめす技法で、
これは、「タンニン鞣し」とも「クロム鞣し」とも違い、
日本独特の鞣し技術で、海外では「日本鞣し革」の名で広く知れ渡っているんだ。

その純白無比にして強靭、世界に比類のない革で、
古来より甲冑、武具、馬具などが盛んに生産されていたんだ。

けれども、この技術も非常に手間隙がかかり、生産性が低くて、
安いクロム革の出現や、後継者不足で廃れていき、
約15年前に、継承者が市内でもたった一人きりになったんだ。

で、「このままではこの貴重な技術が永遠に消滅してしまうのではないか」
と危機感を募らせ出現したのが「白なめし保存研究会」の人々。

彼らは、只、その技術の保存を目的として活動しているんじゃないんだ。
そう、こう言ってるの。


「産業として復活させることが技術を伝えていくことへの第一歩・・・」ってね!

頑張れ!日本のカルロ・バダラッシィ達!!!













スポンサーサイト


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。