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<title>たむたむの「カバンを開けると日本が見える！」</title>
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<description>カバンは所詮道具入れ・・・ だからそこには、目的があり意図がある。 そして、その作り手の意図が見えたとき、 カバンは単なる道具入れではなくなるのです・・・</description>
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<title>11月のカバン【プラダ】</title>
<description> やー、みんな！知ってる？今年の6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンが、ロンドンで実施予定だったコンサート”THIS IS IT”。その何百時間にも及ぶリハーサルとビハインドシーンの映像を使用した劇場映画が今公開されてること。何しろ、この映画10月28日に全世界同時公開され、2週間限定なものだから、マイケルファンじゃなくとも足を運びたくなるよね。マイケルといえば一番輝いていたのが、1980年代。1982年に発売された、アル
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<![CDATA[ やー、みんな！知ってる？<br /><br />今年の6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンが、ロンドンで実施予定だったコンサート”THIS IS IT”。<br />その何百時間にも及ぶリハーサルとビハインドシーンの映像を使用した劇場映画が今公開されてること。<br /><br />何しろ、この映画10月28日に全世界同時公開され、2週間限定なものだから、<br />マイケルファンじゃなくとも足を運びたくなるよね。<br /><br />マイケルといえば一番輝いていたのが、1980年代。<br />1982年に発売された、アルバム『スリラー』は全世界で4000万枚売れたんだって。凄いね！<br />そういう僕も当時MTVを食い入るように見ていたよ。<br />懐かしいね。<br /><br />よし、じゃ今日は1980年代の話をしようか。<br /><br />前に、「Ｌ..Ｌ..Ｂｅａｎ」の話のときに1970年代後半の話をしたよね。<br />「ファッション界はニュートラからハマトラへと移り変わって行く」て、とこで話は終ってたっけ。<br /><br />実は、1980年代は日本のサブカルチャー（大衆文化）が欧米に追いつき、追い越したと思われた時代。<br />音楽界ではイエロー・マジック・オーケストラ（Y.M.O）が、世界的大ヒットを飛ばし、<br />ファッション界ではヨージ・ヤマモト、コム・デ・ギャルソン、イッセイ・ミヤケらのコレクションがパリで大旋風を巻き起こした。<br /><br />これが、もとで日本のファッション界は一気に「Ｄ.C（デザイナーズ・キャラクターズ）ブランド一色となる。<br />「BIGI」「コムサ・デ・モード」「インゲボルグ」「ピンクハウス」等、数え上げたらきりがないよね。<br /><br />社会的には、空前の漫才ブームが起こり、「毒ガス」と呼ばれたビートたけしが登場。<br />コピーライターという本来裏方の仕事を時代の最先端に引き上げた糸井重里なんてのも出てきたよね。<br /><br />で極めつけは、田中康夫。<br />ブランドやレストラン、学校や地名などの固有名詞がちりばめられただけの小説、<br />『なんとなく、クリスタル』がブームになり、「なんクリ」なんて言葉が若者の合言葉となったんだ。<br />カフェーバーがブームになり、ニューウエーブが街を席捲した。<br /><br />つまりね、1980年代を振り返ってみると、全てが曖昧模糊として、実態の見えないものばかりだったんだ。<br />そして、それら全てのバックボーンにあったのが空前のバブル景気なんだ。<br /><br />好景気ゆえ、ビジネス至上主義に囚われる事がなく、目新しいものが全て歓迎された時代。<br />それゆえ、日本のサブカルチャ－は一瞬世界のトップに並んだ。・・・かのように見えたんだ。<br />けれど、それはその後のバブル崩壊で、もろくも崩れ去ったんだ。<br /><br />でね、<br />バッグ業界で、この1980年代に大躍進したのが、今月のカバン【プラダ】なんだ。<br /><br />今では、「今季のトレンドはプラダを見れば把握できる」<br />とまで言われるファッション界のリーダーとなった【プラダ】。<br />でも、実はこの1980年代までは【プラダ】は凋落の時代にいたんだよ。<br /><br /><br /><br /><br /><br />【プラダ】の創設は、1913年。<br /><br />創設者マリオ・プラダがミラノのドゥオモ近くに革製品の店「プラダ兄弟商会」を開いたことに始まる。<br />彼は世界中から、「ワニ皮」や「オーストリッチ」などの高価な素材を集め、<br />貴族向けに旅行カバンや革小物を発表した。<br />やがて、ブルジョアの間で、エレガントでハイセンスな商品を作るデザイナーとして、<br />次第に名声を手にしたマリオ。<br />ついには【プラダ】は、イタリア王室の御用達ブランドとなったんだ。<br /><br />ところが、「動物愛護」の声が高まってきたことや、デザインの流行性などが原因で、人気は下落。<br />【プラダ】はマリオ・プラダが1958年に他界した後は全くの無名ブランドに凋落してしまうんだ。<br /><br />【プラダ】の経営は、マリオの娘に引き継がれた。<br />けれども、長く低迷期から抜け出すことは出来なかった。<br /><br />そんな、【プラダ】を救ったのが、マリオの孫娘3代目のミウッチャ・プラダ。<br /><br />1978年、彼女はオーナー兼デザイナーに就任すると、<br />マリオが旅行用のバッグに使用していた工業用防水ナイロン生地「ポコノ」に目を向け、<br />ポコノと革を併用したバッグを開発。<br />1985年、これが世界的なセンセーションを巻き起こすほど大ヒットしプラダ再躍進。<br />スーパーモデルや世界中のファッション・エディターたちの注目するブランドとなったんだ。<br />もちろん、バブル期の日本がこの流行の大きな後押しとなったのは間違いない。<br /><br />その後、ミウッチャは1989年に婦人服に進出し、プレタポルテのコレクションを発表。<br /><br />1992年にはミウッチャのニックネームをとったセカンドライン『ミュウミュウ』がデビュー。<br /><br />そして、1996年には逆三角形のロゴプレートを付けたポコノ製品が広く展開され、【プラダ】は更に大躍進！<br />このシリーズも、日本では嫌っていうほど見かけたよね。<br /><br />1998-99 A/Wからプラダスポーツを新しく発表。<br />この、プラダスポーツによって【プラダ】はさらに活動的に進化し、<br />男性からも強い指示を受けることになったんだ。<br /><br />このミウッチャ・プラダ。<br />さぞかし、才能溢れるデザイナーだと思うでしょ。<br />ところが、彼女、【プラダ】に入る前は、ミラノ大学政治学部の学生だったの。<br /><br />学生時代にはパントマイムの勉強をし、<br />共産党に入り、女性解放運動の先頭に立っていたんだって。<br /><br />だから、彼女のこの才能が開花したのは、ファッションの世界の入ってからなんだよ。<br />凄いよね。<br /><br />でね、ミウッチャが豊かな創造力を発揮する一方、<br />経営、生産面のブレーンとなったのが、旦那さんの、 パトリッツィオ・ベルテッリ なんだ。<br /><br />ミウッチャとベルテッリが初めて出会うのは1970年代の終わり頃。<br />当時、ビジネスマンだったるベルテッリは、<br />高品質の皮革小物の製造で高い評価を得ているメーカー2社を所有していたんだ。<br /><br />ミウッチャとベルテッリはビジネス・パートナーとして協力関係を築いた後、<br />私生活でもパートナーとなったんだ。<br /><br />「夫と出会っていなかったら、たぶん私はギブ・アップしていただろうし、<br />少なくともこんな業績は残せなかったと思う」（ミウッチャ・プラダ）<br /><br />「プラダ現象」とも呼ばれたこの大躍進。<br />実は「時代」と｢出会い」という、人生で一番大事なものがもたらしたのかも知れないね。<br /><br /><br />「百年に一度の大不況」と言われた今、<br />「プラダ現象」を引き起こした【プラダ】にとってもそれは他人事では無い。<br /><br />でもね、彼女はこう言うんだ。<br /><br />「（金融危機によって）多くの変化があるかもしれないが、<br />それがさらに悪化する場合を除き、何も変わらない方がむしろ怖い」（ミウッチャ・プラダ）<br /><br /><br />マイケルの死も時代の一つの変革かもしれないね。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:date>2009-10-31T22:06:06+09:00</dc:date>
<dc:creator>鞄職人たむたむ</dc:creator>
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<title>10月のカバン【グローブ・トロッター】</title>
<description> 【写真は象が踏んでも壊れないグローブ・トロッターの1900年頃の広告】　　いや～、みんな！とうとう政権交代したね。みんな、期待半分、不安半分てところかな？でも、ここ最近の鳩山外交・・・どうなることかと思ってたけど、「思ってたより、やるじゃん！」てな感じだよね。只、国連に出発前に、彼の政治哲学である「鳩山論文」が、アメリカの反感を買ったんだけど、私としてはもう少しその哲学を前面に押し出しても良かったかな
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<![CDATA[ <a href="http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/s/misin28/globe-troter.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/s/misin28/globe-troter.jpg" alt="globe-torotter" border="0" width="229" height="319" /></a><br /><br />【写真は象が踏んでも壊れないグローブ・トロッターの1900年頃の広告】<br />　　<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />いや～、みんな！とうとう政権交代したね。<br />みんな、期待半分、不安半分てところかな？<br /><br />でも、ここ最近の鳩山外交・・・<br />どうなることかと思ってたけど、「思ってたより、やるじゃん！」てな感じだよね。<br /><br />只、国連に出発前に、彼の政治哲学である「鳩山論文」が、アメリカの反感を買ったんだけど、<br />私としてはもう少しその哲学を前面に押し出しても良かったかなと思ったけどね。<br /><br />彼の言う、「アメリカ主導のグローバルスタンダードからの脱却」は、<br />今の日本人なら誰でも感じている、<br />小泉改革がもたらした、「行き過ぎた市場原理主義からの脱却」に他ならないからね。<br /><br />えっ？「グローバルスタンダードって何？」って？<br /><br />うん、簡単に言うと「世界基準」って事で、今では様々な分野でこの言葉が使われているんだけど、<br />そもそもは、金融関連の、「世界中どこでも適用される基準や規格、ルールの事」を意味してたの。<br /><br />具体的に言うと、<br />時価会計制度（所有する金融資産を決算時の市場価格（時価）で評価する会計）の導入、<br />自己資本の充実や利益率の向上を重視する経営、<br />経営内容のディスクロージャー（情報開示）の徹底、<br />実力主義に基づく人事・給与制度などの導入を目指す取り組み、なんかが挙げられるの。<br /><br />昔の日本の銀行は大蔵省（財務省）の意向に従っていれば安定した収益を確保できてたんで、<br />それにあぐらをかいて、国際的な競争力をなくしたんだから、<br />一概にグローバルスタンダードが悪いとは言えないんだけどね。<br /><br />でもそれが行き過ぎたとき、マネーゲームが世界を席捲し、今まで以上の問題をもたらした。<br />それが、強かったアメリカの経済をぶち壊してしまった。<br />そして、ぶち壊れた今でも、アメリカでは銀行員の成果主義による高年棒が問題になっている。<br /><br />まぁ、とにかく鳩山首相にはこれからも、堂々と世界を闊歩してもらいたいよ。<br /><br />あっ、「世界を闊歩｣といえばそれがそのまま会社の名前になった鞄のメーカーがあるんだよ。<br />それが、今月のカバン、【グローブ・トロッター】<br /><br /><br />グローブ・トロッターは、故ダイアナ妃が愛用したことで有名になった、イギリスの旅行鞄メーカー。<br />創業者はイギリス人、デイビッド・ネルケン。<br />創業は近代産業が花開いた、1897年。ロンドンの街、クラーケンウエルに誕生。<br />その頃日本は明治29年。ライト兄弟が初飛行に成功する6年も前の話だよ。<br /><br />創業当時、最新の素材を導入し、製造が開始されたグローブ・トロッターのトラベルケースは、<br />瞬く間にイギリスを代表するトラベルケースとして世界中に名を馳せるようになったんだ。<br /><br />特に、セレブと呼ばれる人に愛用者が多く、<br />エリザベス女王はハネムーンに出かけるトラベルケースを特注し、<br />第二次大戦でイギリスに勝利をもたらした、ウイストン・チャーチルは<br />その激動の時代をグローブ・トロッターと共に世界を駆け巡ったんだ。<br /><br />そして、大航海時代には、あのタイタニック号に代表される豪華客船にも、<br />グローブ・トロッターが次々と運び込まれていたんだよ。<br /><br />又、冒険家にも愛用者が多く、<br />世界で最初にエベレスト（チョモランマ）登頂に成功したエドモンド・ヒラリーは、<br />ベースキャンプに持っていくトラベルケースとしてグローブ・トロッターを選んだんだ。<br /><br /><br />でね、<br />グローブ・トロッターが、何故こんなにセレブや冒険家に愛用されているかと言うと、<br />その、最大の理由が、「軽さ」と、「強靭」さ。<br /><br />そう、創業当時の最新の素材と言うのは実は「紙」。<br />軽いはずだよね。<br />でも、強靭さは何故？<br /><br />それは、ヴァルカンファイバーと呼ばれる、グローブ・トロッターだけの特殊な紙。<br />その特殊な紙を何層にも重ね合わせ、樹脂をコーティングし、<br />それでトラベルケースを作ったんだ。<br /><br />グローブ・トロッターのとラベルケースは創業当時から、112年間その特殊な素材で作り続けられ、<br />現在も、その製法は変らず、頑固なまでにハンドメイドにこだわり、<br />少量生産のペースを守り続けているんだ。<br /><br />そして、常識を超えた強靱さを持つヴァルカンファイバーの製造法は、<br />112年を経た今なお門外不出の企業秘密となってるの。<br /><br />え、「いくら強靭だと言っても紙だろう！」って？<br /><br />ちっ、ちっ、ちっ。<br /><br />あのね、前にバリスティックナイロンのとき言ったでしょ。<br />いくら強くったって融通が利かなきゃ本当の強さじゃないって。<br />まるで当時のアメリカみたいだって・・・<br /><br />ヴァルカンファイバーで作られたグローブ・トロッターのトラベルケースはね、<br />たわむことによって力を逃がし、割れや歪みなどの損傷から守るんだよ。<br /><br />そう、本当の強さとは力を逃がしてあげることなんだよね。<br /><br />鳩山さんも、本当の強さを持って「世界を闊歩」して欲しいよね。<br />その、｢友愛｣の精神が夢にならないようにね。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />「すべての偉大な歴史的出来事は、ユートピアとして始まり、現実として終わった。<br />一つの考えがユートピアにとどまるか、現実となるかは、<br />それを信じる人間の数と実行力にかかっている」<br /><br />（クーデンホフ･カレルギー｛汎ヨーロッパ運動の提唱者｝～鳩山論文の最後より。）<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:date>2009-09-27T16:19:05+09:00</dc:date>
<dc:creator>鞄職人たむたむ</dc:creator>
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<title>9月のカバン【銀座タニザワ】</title>
<description> 皆、どう？先月の記事から一月経ったけど、日本の未来をデザインしてみた？皆がこのコラムを読む時はもう選挙結果が出てるだろうけど、実はこの記事は、8月30日に書いてるの。そう、選挙日当日の昼下がり。だから僕はまだ選挙結果を知らないの。だけど、いずれにしても今回の選挙ほど、選挙で必要とされている3バンの威力が廃れた選挙はなかったろうね。3バンとは、言わずと知れた、「ジバン（地盤）、カンバン（看板）、カバン（
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<![CDATA[ <br />皆、どう？<br />先月の記事から一月経ったけど、日本の未来をデザインしてみた？<br /><br />皆がこのコラムを読む時はもう選挙結果が出てるだろうけど、<br />実はこの記事は、8月30日に書いてるの。<br />そう、選挙日当日の昼下がり。<br />だから僕はまだ選挙結果を知らないの。<br /><br />だけど、いずれにしても今回の選挙ほど、<br />選挙で必要とされている3バンの威力が廃れた選挙はなかったろうね。<br /><br />3バンとは、言わずと知れた、「ジバン（地盤）、カンバン（看板）、カバン（鞄）」の事。<br />組織が崩れ、これといった有名人も出馬せず、<br />世襲が批判され、選挙前には政治家と金の問題も取り上げられたからね。<br /><br />まぁ、これが正常な選挙の形なんだろうけど、<br />それにしても、「選挙資金の札束が沢山入ったイメージ」で‘鞄’と言う言葉を選んだってのは、<br />「一体選挙にはいくら金がかかってたんだよ！」って感じだよね。<br /><br /><br /><br />で、皆はこの‘鞄’という漢字がいつできたか知ってる？<br />実は日本で明治維新が起こった、1868年当時、<br />今では当たり前のように使っている、この‘鞄'という文字はまだ無かったんだよ。<br /><br />カバン・・・<br />その語源は、中国語の「夾板(キャバン)」とも、オランダ語のkabasとも言われているんだけど、<br />このカバンに、革で包むと言う‘鞄’の字を当て込んだのが、<br />今月のカバン【銀座タニザワ】の創業者、谷澤禎三なんだ。<br /><br />谷澤禎三は1874年（明治7年）日本で初めての鞄店を東京人形町にオープンさせた人。<br />その後、1877年（明治10年）禎三は、第一回国内勧業博覧会で、<br />自身が出品した飾り箱の看板に‘鞄’と言う文字を使用。<br />そして、【タニザワ】が、人形町より現在の銀座中央通りに店を移転した1890年、<br />禎三はその店の看板に、‘鞄’の文字を掲げる。<br /><br />これが銀座を偶然通りかかった明治天皇の目にとまり、<br />侍従職を通し「何と読むか？」と聞いたと言うエピソードとなり、<br />‘鞄’と言う字の認知度がいっきに高まる。<br /><br />そしてこの年、‘鞄’と言う文字は、<br />日本初の近代的国語辞典とされる「言海（げんかい）」にも採用され、<br />いっきに全国に普及していったんだよ。<br /><br />禎三の作る鞄は全て独学。<br />でも、その作りと素材の素晴らしさから、伊藤博文を始め、<br />政界、財界の大物達が顧客だったんだ。<br />その鞄は本家の西洋鞄と比しても負けないぐらいの傑作だったんだよ。<br /><br />その後、禎三の、"広くさかんに誠の品を売る"の鞄作りの心を受け継いだ【銀座タニザワ】は、<br />1974年（昭和49年）、創業百周年を迎え、<br />社名を「株式会社銀座タニザワ」とし、<br />老舗のメンズバッグ店として、現在も高い支持を得ているんだ。<br /><br /><br />でね、この谷澤禎三が鞄屋の道に入る、きっかけとなったのが、<br />彼が丁稚奉公中の白髪染め屋で出合った袋物に興味を持ったことからなんだ。<br />それは、台箱と呼ばれる、取っ手の付いた床屋の道具入れだった。<br /><br />そう、‘鞄’と言う文字は無かったけど、<br />禎三が‘鞄’という文字を作る前からカバン自体は当然存在していたんだ。<br />いつも言うように、人が移動する限り、カバンは存在するからね。<br /><br />それは、信玄袋であったり、柳行李であったり、台箱であったり・・・<br /><br />特に、革の工人、革具師、馬具師、文庫（ふみぐら）職人らによる発想で、<br />1869年（明治2年）頃から、<br />1877年（明治10年）頃にかけて作られた’胴乱’（どうらん）と呼ばれたものが、<br />日本鞄の原型へと変化していったんだよ。<br /><br />ん？<br /><br />カバンの呼び名が‘胴乱’？<br /><br />何か違和感あるよね。<br />これじゃ、入れたものがなんだか乱れ散る感じがするよね。<br /><br />‘胴乱’胴は「筒」の事。<br />じゃ、乱は？<br /><br />実は、「乱」と言う漢字には、「みだれる」と言う意味の他に、<br />まったく正反対の「おさめる」と言う意味もあるんだよ。<br />だから、‘胴乱’は「筒の中に納める」の意味なんだ。<br /><br />日本語ってほんと面白いよね！<br /><br />あっ、もうこんな時間だ。<br />家に帰って選挙結果を見なきゃ。<br />この結果しだいで、明日からの日本はそれこそ‘大動乱’になるかもしれないからね。<br /><br />もちろん、この大動乱が、<br />「みだれる」じゃなくて、「おさめる」意味である事を切に願ってるよ！<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:creator>鞄職人たむたむ</dc:creator>
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<title>8月のカバン【ビル・アンバーグのロケットバッグ】</title>
<description> いやー、ようやく衆議院が解散したね！みんなはもう、どの党に入れるか決めてる？そう。りっぱ、りっぱ！でも、せっかく投票日まで40日間もあるんだから、一度じっくりと腰を落ちつけて、この国の未来を考えて見るのもいいかもね。その手段として、各党のマニフェストを照らし合わせてみるのもいいけれど、もっと、大きな視野でこの国の形を考えて見るのもいいかもよ。そう、日本という国を日本人ひとりひとりがデザインしてみるん
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<![CDATA[ <br /><br />いやー、ようやく衆議院が解散したね！<br />みんなはもう、どの党に入れるか決めてる？<br />そう。りっぱ、りっぱ！<br /><br />でも、せっかく投票日まで40日間もあるんだから、<br />一度じっくりと腰を落ちつけて、この国の未来を考えて見るのもいいかもね。<br /><br />その手段として、各党のマニフェストを照らし合わせてみるのもいいけれど、<br />もっと、大きな視野でこの国の形を考えて見るのもいいかもよ。<br /><br />そう、日本という国を日本人ひとりひとりがデザインしてみるんだ。<br /><br />えっ、デザイナーじゃないんだからデザインなんか出来ないって？<br />ひょっとして、デザインって図面が画けないと出来ないと思っていない？<br />違うよ！<br /><br />このコラムでも何度も話したけど、<br />鞄のデザインでも、その必要性によって決まったり、<br />時代の流れによって決まったり、<br />只、自分が持ちたいから・・・という理由で決まったりしてたでしょ。<br /><br />そう、そもそもデザインとは、<br />構想、計画、設計、意匠などのさまざまな意味を含んでいて、<br />これらの総合として用いられる言葉なんだ。<br /><br />日本ではデザインという概念の歴史が浅いのと、<br />その概念が生まれたのが戦後の経済成長期だったということもあって、<br />どうしても、デザインというと一作品の設計という意味にとらわれがちだけどね。<br /><br />でもデザインの歴史があるヨーロッパでは、ただ単に物が作りだされるということ以上に、<br />生産のシステムを整え、<br />あるいは生産物が社会のなかにどのように位置づけられるのかをまえもって考慮するなど、<br />方向づけの段階が重要だとされているんだよ。<br /><br /><br />で、今月のカバン【ビル・アンバーグのロケットバッグ】なんだけど、<br />写真でもわかるように、かなり斬新なデザインだよね。<br /><br />実はこのカバンも図面からではなく、<br />デザイナーのビル・アンバーグの人との出会いや経験の積み重ねから生まれたバッグなんだ。<br /><br />ビル・アンバーグは、イギリス、ロンドンを拠点に、<br />1984年から活動を続けるヨーロッパを代表するバッグデザイナー。<br />彼は鞄だけではなく、様々な物をレザーで作り上げ、<br />そのクオリティーの高さから一躍人気デザイナーになった人物。<br />で、付いたあだ名が、「Mr,レザー」。<br /><br />出身はロンドンから北へ100キロ程のぼった、ノーザンプトンシャーという街。<br />ノーザンプトンシャーは昔から「革靴づくりの聖地」として知られる革の街。<br />その街で彼は、幼い頃から自然に革に触れて育ってきた。<br />そしたら、いつしか自分も靴作りを勉強するようになっていったんだ。<br /><br />そんな彼に、「大学に行かない代わりに旅行に行け」というアドバイスを贈ったのが彼の両親。<br /><br />そのアドバイスを受け、ビル・アンバーグはニュージーランドやオーストラリアを旅行し、<br />乗馬用の鞍をつくる職人、革のスーツケースを作る職人、ブーツを作る職人等、<br />いろんな革職人と出会ったんだ。<br />こうした出会いから、彼は自然に革の知識を深め又人脈も築いていった。<br /><br />そして、ロンドンに戻った彼は、1984年に自身のコレクションを発表したんだ。<br />今月のカバンの【ロケットバッグ】もその頃の作品。<br />【ロケットバッグ】は、その素材の革質の良さと、本体のシンプルな形状、<br />そしてアルミを削りだした独特の持ち手の面白さで一躍注目を集め、世界中で大ヒットしたんだ。<br /><br />ビルは、鞄のデザインだけでなく、プロダクトやインテリアのデザインも手掛けていた。<br />だから、既成の固定概念に囚われることなく、鞄作りが出来たんだろうね。<br /><br />彼は図面から書き出したものからは決して生まれない、<br />鞄の概念を超える新しい鞄の形を提案したっていうわけなんだ。<br /><br />でね、<br /><br />このビル・アンバーグがデザイナーの心構えとして尊敬しているというのが、<br />日本の柳宗理（やなぎそうり)なんだ。<br /><br /><br />柳宗理。<br /><br />詳しくはとてもここでは述べきれないけど、<br />1915年に誕生し、現在もなお活躍する、<br />戦後日本のインダストリアル･デザイン（工業デザイン）の確立と発展に、<br />もっとも重要な足跡を記した人物。<br /><br />その活躍の場は幅広く、<br />彼のデザインは代表作の「バタフライ・スツール」を含むインテリアから、照明、オート三輪、陸橋、<br />はてにはオリンビックの聖火台にまでに到っている。<br /><br />そして、彼が生み出したそれらは全て、<br />機能に応じ無駄な装飾を排するモダン･デザインの合理性を示しながら、<br />使いやすくて美しい、いわゆる“用の美”を表現したものなんだ。<br /><br />何故、彼がそのような物作りが出来るのか？<br /><br />それはね、彼の「アノニマスデザインこそがプロダクトデザインの理想形」だと言う考えによるんだ。<br />‘アニノマス’とは‘匿名‘の意味。<br />有名デザイナーの名前を冠したものではなく、<br />必要に応じて産まれ出て、長く使われ続けたものの中にこそ、<br />真の美しさがあるという考え。<br /><br />更に、そんな彼の物作りの仕方が、<br />デザイン画から、すぐに試作品を作り確かめる方法。<br /><br />「紙の上ではよく見えるデザインも、立体にした時にうまくいかないと意味はない。」<br />この考えはそのままビル・アンバーグにも受け継がれた。<br /><br />だから、四谷にある柳デザイン研究所は、<br />いわゆる「工業デザイナーのオフィス」とは大分様子が違うんだ。<br />たくさんの模型や轆轤台、石膏型などが、所狭しと陣取ってるんだって。<br /><br /><br /><br />どう？デザインするってどういう事か少しは解った？<br /><br />つまりね、もしあなたが日本という国を美しくしたければ、<br />机上の空論に惑わされることなく、<br />美しい日本という国を想像し、その為に社会には何が必要かを考え、<br />その正しい方向性を見つけることなんだ。<br /><br />戦後、経済成長した日本はその代償として、<br />たくさんのものを失った。<br />今、本当に僕たちが必要としているものはなんだろう？<br />今度の総選挙はそうしたことも考えるいい機会かもね。<br /><br />じゃ、最後に、柳宗理の有名な言葉を、みんなに送るね。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />True beauty is not made,it is born natyrally<br /><br />「本当の美は、生まれるもので、つくり出すものではない。」（柳宗理）<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:date>2009-07-30T20:46:43+09:00</dc:date>
<dc:creator>鞄職人たむたむ</dc:creator>
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<title>7月のカバン【ハンティングワールド】</title>
<description> みんな！政府が導入したエコポイント制度どう思う！そう、省エネ性能に優れた家電製品を買うとエコポイントが付与され、そのポイントをさまざまな商品やサービスに交換できるというもの。その目的は三つあって、一つは、省エネ家電への買い換えを進めることによって、CO2を削減すること。又一つは、地上デジタル放送対応テレビを普及させること。そして最後に、経済の活性化につなげること。まあ、経済政策としてはその効果はあり
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<![CDATA[  <br /><br />みんな！<br />政府が導入したエコポイント制度どう思う！<br />そう、省エネ性能に優れた家電製品を買うとエコポイントが付与され、<br />そのポイントをさまざまな商品やサービスに交換できるというもの。<br />その目的は三つあって、<br />一つは、省エネ家電への買い換えを進めることによって、CO2を削減すること。<br />又一つは、地上デジタル放送対応テレビを普及させること。<br />そして最後に、経済の活性化につなげること。<br /><br />まあ、経済政策としてはその効果はありそうだけど、<br />果たして、まだ使える電化製品を遺棄して、<br />新しく買い換える事がエコかどうかは疑問だよね。<br /><br />何故かと言うと、多くの人は、CO2を削減する事がエコ活動だと勘違いしているけど、<br />本当のエコの意味は別の所にあるからなんだ。<br /><br />えっ、本当のエコって何かって？<br /><br />じゃ、一つ、バッグの世界で本当のエコ活動をしてきた人を紹介するね。<br />そう、それは今月のカバン【ハンティングワールド】の創始者のロバート・M・リーその人なんだ。<br /><br />【ハンティングワールド】は、日本でも1980年代のヘビーデューティー・アイビーブームの時、<br />前に話したL・Lビーンと共に、爆発的に売れたからみんなもよく知ってるよね。<br />でも、その名前から狩猟に使うカバンというイメージを持ってない？<br /><br />実は、創始者のロバート・M・リーの精神はそれとはまったく逆のものなんだ。<br /><br />ロバート・M・リー、通称ボブ・リー。<br />彼は、自然愛好家だった母の影響を受け、<br />自然への愛と限りない好奇心を育みながら、少年時代を過ごしたんだ。<br />そして、何時しかアフリカを冒険する事が彼の夢となった。<br /><br />1955年、工科大学を卒業し順調に建築設計技師として働いていた彼は、<br />その夢を実現するためにアフリカに向かう。<br /><br />けれども、彼を迎えたアフリカの自然は、<br />彼の想像以上に素晴らしいものだったんだ。<br /><br />その魅力に魅せられた彼は、数ヶ月のサファリ－生活の後、<br />順調だった設計士の職を捨て、<br />1959年アフリカにサファリ－ツアーの会社、「リー探検社」を設立したんだ。<br /><br />けれども、ツアー客の装備がアフリカの大自然の中では、<br />あまりにも役に立たないものばかりだった。<br />それで、彼は自分でアフリカの過酷な自然環境に耐えうる、装備の開発に着手したんだ。<br />実は、このときの経験が後のハンティングワールド社の礎となる。<br /><br />1961年、拠点としていたアンゴラに独立戦争勃発。<br />1965年、ボブはアンゴラの政情不安から、ニューヨークに戻り、<br />ハンティングワールド社を設立。<br /><br />そして、この1955年から1965年の10年の間に、<br />彼はアフリカ17カ国を旅し、野生動物の調査を実行。<br />ライオン、チータ、クロサイなどの保護、そして密猟の一掃に力を尽くすんだ。<br /><br />その後、同社の代名詞となるバチュ－クロスの開発の成功により、<br />【ハンティングワールド】はブランドとして確固たる地位を得る。<br /><br />ボブ自身は、【ハンティングワールド】のデザイナーであり続けると共に、<br />自然保護運動家としてその後も活躍する。<br />　<br />彼は、アフリカの野生動物の保護の為、<br />数々の生態調査や狩猟管理プログラムを実施。<br /><br />又、モンタナ大学に基金を設立して、種を絶滅から救う研究を支援している他、<br />国際環境保全のために基金も設立しているんだ。<br /><br />【ハンティングワールド】のロゴには、<br />自由と蘇生のシンボルである「牙の無い小象」を守るように<br />「探検」「自然保護」「教育」という三つの言葉が書かれている。<br /><br />それは、【ハンティングワールド】の信念でありボブ自身のポリシーでもあるんだ。<br />そしてね、実はこの三つの言葉が守る「小象」こそ、エコの精神そのものなんだ。<br /><br />ね、本当のエコって、こういうことなんだよ。<br /><br />だからね、少なくともエコポイントを手に入れた事を、<br />エコに協力したと考えるのだけはやめようね！<br /><br /><br /><br /><br />【エコロジー】<br /><br />自然環境保護運動。<br />人間も生態系の一員であるとの視点から、<br />人間生活と自然との調和・共存をめざす考え方。 <br /><br /><br /><br /><br /> ]]>
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<dc:date>2009-06-29T15:45:05+09:00</dc:date>
<dc:creator>鞄職人たむたむ</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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